今から15年くらい前のある日の朝、
突然の右耳の耳鳴りと聞こえにくさに気づきました。
ネットで調べて突発性難聴を疑い、すぐに近所の病院に行きました。
薬をもらって1週間服用しましたが、改善はしませんでした。
もう一度その病院に行くと、大きな病院を紹介されました。
大きい病院に行くと、入院を勧められました。
入院し、多量のステロイドを投与する方法だと、改善する可能性が高いとのこと。
家にはまだ中学生と高校生の子供がおり、会社では経理の仕事を任されており、会社の資金繰りに追われていました。
とても入院できる状況ではなかった。
通院で服薬を続けましたが、とうとう治ることはありませんでした。
現在も右耳はほとんど聞こえません。
右横から話しかけられると、必ず聞き返します。
特にうるさい場所では聞こえません。
難聴はコミュニケーションに多分に影響を及ぼします。
人はこの人は難聴だと思うと、聞き返されるのがめんどくさくて話しかけなくなります。
そして、難聴の本人は聞こえてなくても、聞こえたふりをして適当に返事をしたりします。
私も周囲の人にこの病気を伝えようとしたのですが、今のところ伝えていません。
言ったところで、相手の人はいちいちどちらの耳が聞こえないのか覚えていません。
決死の覚悟でやっと打ち明けた相手に、「大変だね」と気の毒そうな顔をされ、何かの時に話しかけられて「あっ、こっちの耳聞こえにくかったね」とすまなそうに言われるのがつらかった。
聞き返されるとめんどくさいと、話しかけてくれなくなるのが嫌だった。
だから、カミングアウトしていません。
話せるタイミングがあったら、話せそうな人だったらこの先話すこともあるかもしれません。
でも、あの時やはり、入院して十分な治療をしていればと後悔しています。
やるだけのことをやっていれば、納得できたのに。
突発性難聴の原因はストレスとか、原因不明とかよく言われます。
比較的、発症する人が多い病気で、約半数の人は完治し、約半数の人は後遺症が残るそうです。
発症から1週間以内に治療を始めることが大きなポイントでそれを過ぎると治癒は難しくなるそうです。
そして補聴器などはほとんど効果はないと言われています。
これくらいで入院などと思わずに、納得いくまで治療を続けたほうがいいと思います。
やるだけのことをやって、もし聞こえにくさが残ったとしても私のような後悔はしなくてすむと思います。
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