最後の運動会

夕方のニュースで最近の小学校の運動会について取り上げていました。

コロナ禍後、運動会を午前中で切り上げる学校がほとんどになっていること。

その中で、午後まで実施する小学校で取材。

お弁当13人分を作って、親戚一同で食べる家族に密着し、

「お弁当を作るのは大変だけど、普段話すことのない子供の友達家族と話すことができて、良かった」

と語る母親。

午後まで開催することで、一部の家族からは不満の声もあったらしいが、おおむね好意的な反応が多かったそう。

私が子供の頃は、もちろん家族とお弁当を食べるのが当たり前の時代でした。

両親はあまり運動会観覧に熱心ではなく、ぎりぎり昼前に来て、さっさと帰る人でした。

当然、場所取りなどするはずもなく、いつも誰も座らないような場所で食べていました。

母はおにぎりではなく、必ず巻き寿司を作ってくれたのをよく覚えています。

そして、わが息子たちの時代。

その頃もお弁当を持参して、一緒に食べていました。

運動会観覧が派手になり始めた頃で、あちこちでパラソルを開いて観覧する人たちが続出。

お弁当のデリバリーも増加。

昼間からお酒を飲んでる人も多かった。

おじいちゃん、おばあちゃんはもちろん、親戚がたくさん集まってにぎやかなこと。

しかし、我が家は長男と次男と私の3人だけ。

ひっそりと食べて、ひっそり片付けるお弁当。

今思うと、やっぱり寂しかったな。

子供たちはどう思っていたのでしょうか。

私の両親は近くに住んでいるので呼ぶことはできたのですが、そうなるとお弁当を大量に用意しなければならない。

フルタイムで働いている私には負担が大きかった。

しかも、両親が運動会にあまり興味がないのを子供の頃から知っていたし、運動会に行きたいという両親からの言葉もなかった。

なので、運動会に呼ぶことはありませんでした。

次男が小6で、小学校最後の運動会という時に初めて両親と弟を運動会に呼びました。

ところが、小学校まで母と弟を車で送ってくれた父が、車を停めに行ったまま戻ってこなかったのです。

その頃、認知症の症状が出始めていた父。

母も弟も気が気ではなくなり、少しお弁当に手をつけただけで早々に帰っていきました。

後から聞くと、別の小学校の運動会に行っていたとか。

息子の最後の運動会の苦い思い出です。

 

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