ヒヤリハットという言葉をご存じですか?
介護や看護の仕事をしている人はもちろんご存じでしょう。
製造業や建設業についている方々も身近なことだと思います。
私は介護の仕事をするまでは正直知りませんでした。
ヒヤリハットとは
ヒヤリハットとは、重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例のことをいいます。
文字通り、「突発的な事象やミスにヒヤリとしたり、ハッとしたりするもの」です。
ハインリッヒの法則とは
そして、ヒヤリハットに関連することで、「ハインリッヒの法則」というものがあります。
これは、1件の重大な事故の裏には29件の軽微な事故があり、その背景には300の異常(ヒヤリハット)が存在するという法則です。
重大災害の防止のためにはヒヤリハットの段階で対処していくことが必要であるということなのです。
アメリカの損害保険会社で技術、調査部の副部長をしていたハーバート・ウィリアム・ハインリッヒに由来しています。
介護現場のヒヤリハット
介護の現場では、実に多くのヒヤリハットが存在します。
あるおばあさんのある夜の様子を例に挙げてみます。
「なぜか落ち着きがなく、そわそわしている」
「大声を出したり興奮している様子」
「寝かせても、何回も起き上がって座る」
「伝い歩きして、ドアの前で立っていた」
このようなことがあって、その後転倒という事故につながることは介護現場ではよくあるのです。
「落ち着きがない」と思われる時は、普段よりなお一層見守りを強化する。
可能な限り、本人の話を聞く。
職員全員でその情報を共有する。
そうすることで、転倒、骨折という最悪の事態を防ぐことができるはずなのですが…。
事故後の対処法
しかし、多くのヒヤリハットを把握していながら、実際の現場では転倒、骨折などの事故になってしまうことがよくあります。
職員の不足、多くの仕事という現実があります。
十分な見守りができず、事故になってしまうのです。
たった一人の患者、利用者にかかりっきりになることは、現実的には困難です。
しかし事故が起こった後、そのままにせず、その原因をしっかりと調査し、改善することで、その後の重大な事故を防ぐことができるのです。
重大事故防止のためには、できるだ多くのヒヤリハットを報告してもらうことが重要です。
しかし、忙しい現場ではヒヤリハットの報告をする時間をとることが現実的に困難であったり、
報告をした本人が不利な立場になったり、評価が下がることを恐れて報告しないということもあるのです。
どんな些細なヒヤリハットでも、報告、共有して職場を改善していくことが重要だと思います。
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