長谷川式簡易知能評価スケールという検査があります。
介護業界にいる方ならご存じだと思いますが、認知症の検査に用いられるものです。
精神科医の長谷川和夫先生が作成したもので、長谷川式と言われています。
長谷川先生自身も認知症を発症し、これを公表したことで話題となりました。
先生は92歳で老衰で死去されています。
では、この検査を紹介しますので、お時間のある方はやってみて下さい。
- 年齢はいくつですか。
- 今日は何年ですか。何月ですか。何日ですか。何曜日ですか。
- 私たちが今いるところはどこですか。
- これからいう3つの言葉を言って下さい。①桜、猫、電車 ②梅、犬、自動車 (答え終わったら「後でまた聞きますので覚えておいて下さい」と伝える)
- 100から7を引いて下さい。それからまた7を引いて下さい。
- これから言う数字を逆から言って下さい。「6-8-2」「3-5-2-9」
- 先ほど、覚えてもらった言葉をもう一度言ってみて下さい。(回答がない場合のヒント:植物、動物、乗り物)
- これから5つの品物を見せます。それを隠しますので、何があったか言って下さい。(時計、鍵、ペン、硬貨、くしなど相互に関係ないもの)
- 知っている野菜の名前をできるだけ多く言って下さい。
解説です。
1は2歳までの誤差は正解とします。1点。
2はそれぞれ正解なら各1点。計4点。
3は自発的に正解なら2点。5秒おいて家ですか。病院ですか。施設ですかのヒントで正解したら1点。
4はそれぞれ答えられたら1点。計3点。
5は93と答えられたら1点。86と答えられたら1点。
6は正解できたらそれぞれ1点ずつ。
7は自発的に正解したら各2点。ヒントで正解したら各1点。計6点。
8は1品正解につき1点。計5点。
9は10個以上答えられたら5点。9個なら4点。8個なら3点。7個なら2点。6個なら1点。5個以下は0点。
合計30点満点で、20点以下なら認知症の疑いありと言われています。
いかがですか。
簡単でしたか。意外と難しかったでしょうか。
私は「今日は何日ですか」の質問でつまずきそうです。
1日は誤差がありそうです。
認知症の高齢者は何年という質問にはまず「昭和…」と答えます。
令和どころか、平成も多分頭の中にはないようです。
自分の年齢は40何歳と答えるし、子供は小中学生で、そろそろ学校から帰ってくるから私も帰りますとよく言います。
その人にとって、40代の頃が一番充実していたんでしょうね。
一番輝いていた時から時が止まっているんだと思います。
季節感のない施設の中や病院の中にいるので、何月かもわかりません。
数字系の問題もほぼ不正解ですね。
数字を逆から言うのはかなり難しいようです。
野菜の名前も「ダイコン、ニンジン、ダイコン、ニンジン」と同じものの名前を繰り返してばかりで、5つ以上言える人はほぼいません。
この検査だけで認知症かどうかを決定づけるのは早計ですので、必ず専門医の診断を受けることをお勧めします。
現在、施設でも病院でも認知症の検査にはこの長谷川式がよく使われています。
このような検査があるということを参考までに。
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