『若い女性雇用しない』という経営者のツイートがあり、批判の声と共に共感の声があったという記事を読みました。
「寿退社や産休や育休をされると困るので、若い女性は正社員として雇用していません」
「うちのような弱小企業の場合、1人がいなくなると大打撃なんです」
男女雇用均等法では、性別や年齢などで採用の差別をしてはいけないらしいが、実際こういう採用を避けている企業は多いのではないでしょうか。
新卒で若い女性を採用しても、2.3年で結婚して妊娠して
「産休とりたい」「育休とりたい」
となるケースはよくあります。
中小企業では産休、育休などを取得することは実際不可能です。
2年も3年も自分の座っていた椅子が空いているわけはありません。
若い女性ではなくても、小さな子供のいる人も、中小企業に採用してもらうことは困難だし、もしも採用されても産休などをとるのは無理です。
産休どころか、有給休暇をとるのも難しいのです。
私が30代前半で子供たちがまだ小学校低学年の時、離婚して正社員の仕事を探していました。
いくつか履歴書を送ったのですが、面接前に電話がかかってきて
「子供はいますか?何歳ですか?」
と聞かれ、答えると
「多分、採用は難しいと思います」
と電話口で断わってきた会社がありました。
ある意味、正直でよかったかもしれません。
こんな感じでことごとく不合格だった中、正社員の採用は無理かとあきらめていた時、友人から
「親戚の叔母さんが勤めている会社が事務員を募集している。子供が小さいから無理かもしれないけど面接受けてみたら」
と勧めてくれました。
ダメ元で面接を受けました。
その叔母さんという人が面接したのですが、はっきりと
「子供が熱を出したとか、授業参観に行きたいとか学芸会に行きたいとか、そういう理由でいちいち休まれたら困ります」
「子供が熱を出した時に面倒みてくれる人はいますか」
と聞かれ、
「両親がみてくれます」
と答えたのがよかったのか、ダメかと思ったのに採用になりました。
そのため、子供の行事には一切参加することはできませんでした。
参観日も生活発表会も、1回も行ってやれませんでした。
熱が出た時は、薬と食事を置いて子供を1人で寝かせて会社に行ったこともありました。
でも、働くということはこれくらい厳しいものだと思っています。
今こんなことを言うと、時代錯誤とか差別だとか、色々叩かれるでしょう。
しかし、中小企業では一人ひとりの役割が大きく、一人が休むと他の人へのシワ寄せが大きい。
だから、休むということはよほどのことがない限り、ダメなのです。
ましてや産休や育休なんて、ダメに決まってます。
そんなことを申し出たら即「辞めていいよ」と言われます。
大企業はいいですよね。
一人くらい休んでも、その人をカバーできるくらいの人材がそろっている。
私が前勤務していた病院は、まあまあ大きかったので、若い看護師が次から次へと妊娠、出産をし、産休、育休をとっていました。
復帰後も、しょっちゅう「子供が熱を出したので」と帰る人も多かった。
それでもカバーできるくらいたくさん人がいたし、
「お互いさまだね」
という意識が皆あるので、職場はいい雰囲気でした。
「うちは採用しません」
とはっきり言ってもらった方が、わざわざ履歴書を送ったり、面接に行く手間も省けます。
でも、こういうことをはっきり言ってはいけないという世の中なんですよね。
実際は差別と不平等ばかりの世の中なのに。
コメント