看護師という仕事

看護師の友人とランチしました。

看護師としてもう35年以上働いている彼女。

日々、看護師としての仕事にジレンマを感じているそうです。

彼女が働いているのは、慢性期の病棟。

つまり、命は助かったけど寝たきりで、治って退院する見込みもなく、死ぬのを待つだけの人が入院している所。

毎日、オムツを替えて、胃ろうに栄養を流し、強制的に生かされている人たち。

かわいそう、だけど何もしてやれない。

この人たちはこんな姿で生きていたくはないはず。

でも、家族はこんな状態でも生きていてほしいと思っている。

もしかしたら、死んでほしいと思っているかもしれないけど、殺すことはできない。

命が尽きるその日までは、生かしていかなければならない。

『何もしてやれないなら、せめてお風呂に入れて、きれいに洗ってあげて、ゆっくり湯舟に入れてあげよう』

彼女はそう思っているそうです。

でも、病院にとっては入浴なんてどうでもいいこと。

だから、入浴の時間は短いし、人員が足りない時は入浴自体をやめることも多い。

看護計画とか評価とか、会議とかそんなことに時間をとられている。

こんな病院のやり方を許せないのに、自分の飯のタネとして、寝たきりの人の世話をするしかない。

看護師になった志とはまったく違うことをしているジレンマ。

毎日、寝たきりの人たちを見るのがつらい。

仕事と割り切ろうと思うけど、割り切れない。

あと5年、今の病院で働いたら、その後は寝たきりの人がいない施設などで働きたいそうです。

治る見込みのない人たちを大量に入院させている今の医療ってどうなんでしょう。

仕事だからと割り切れる人とそうではない人。

彼女は本当に優しい人なのでしょうね。

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