高齢の年金生活者の万引きが多いそうです。
最近はマイバックが万引き行為を助長しているらしく、手口はこうです。
マイバックをひじにかけ、カゴを持って商品を次々カゴに入れます。
次に人のほとんどいない通路に行きます。
そして、周囲を警戒しながらカゴの中の何点かを、マイバックに入れるという手口。
万引きGメンはさすがにプロで、不審な動きをしたり、キョロキョロしている客に目星をつけます。
そういう客はたいてい万引きをしようと様子をうかがっていて、客がマイバックに未精算の商品を入れ、店を出たところでGメンが声を掛けます。
「清算がお済みでない商品の代金をお支払いしていただけますか?」
万引きGメンのとても丁寧な言い方に驚きました。
もっと高圧的な態度に出るかと思っていました。
すると、万引きした高齢者は素直に
「すみません」
と言って、一緒に事務所に行きます。
「前にもこんなことしたことありますか」
と聞くとほとんどの人が
「1回あります」
など、再犯の人が多いよう。
店の責任者がやってきて、「二度とこの店には行きません」という念書を書かされます。
警察官がやってきて、取り調べのため警察署に連れていかれます。
万引きした商品はだいたい2.3点で、せいぜい数百円のものです。
「なぜ、こんなことをしたのですか」
と万引きGメンが尋ねると
「生活が苦しくて…」とか「つい出来心で」
と高齢者は答えていました。
たった数百円のために捕まって警察に連れていかれ、前科者になるのです。
数百円万引きしたところで、生活が楽になるわけでもないでしょう。
それなのになぜ、万引きをするのでしょうか。
高齢者の中には認知症をわずらっていて、そういう人が万引きする例も多いらしいです。
スーパーに勤めている友人は、近所の奥さんが万引きの常習犯なので、ご主人にスーパーへの出入り禁止の念書を書いてもらっていると言っていました。
認知症であれば仕方ない部分もありますが、これは家族がサポートするしかないでしょう。
高齢者の万引きは特に金銭面での将来への漠然とした不安からくることが多いそうです。
また、高齢者は自分自身をコントロールする力が弱くなっているとも言われていて、万引きで捕まるとどうなるのか、家族にどう影響があるのか、想像力が乏しい人が多いようです。
そして、独居の高齢者の万引きが多いことから、孤独感から万引きをしてしまうということもあるとのことでした。
たった数百円のために万引きする高齢者。
万引きは年々減額する年金への不安や、孤独な高齢者が多いという現代の姿を表しているのでしょうか。
コメント