精神を病んで入院する人たち

前に働いていた病院には、普通では考えられないような人が入院してきていた。

多いのは、40~50代くらいで精神を病んで、家に閉じこもりきりの一人暮らし。

親戚や友人、知人もおらず、身の回りのこともできない状態。

家の中は当然ゴミ屋敷。

食事はろくなものを食べてない。

お風呂なんかまったく入ってない。

服もずーっと着替えてない。

髪は洗ってないし、伸び放題。

周囲の人が気付いて、市や支援団体などに連絡が来て、家に訪問。

無理やり連れだして、入院させる。

栄養失調ではあるけど、他に特に悪い所はなし。

入院すると食欲旺盛であっという間に元気になる。

お風呂にも入れてもらい、快適な入院生活となる。

ケースワーカーが手続きをして、生活保護の申請をする。

申請が受け付けられて、無事生活保護受給。

精神科の病院を探してもらって、転院。

こんな感じで決着する。

若くして精神を病んでいる、特に女性が本当に多かった。

この間、友人の看護師とランチしたとき、またこんな人が入院してきたと言っていた。

50代半ばの女性。

おそらく1年以上、2年かもしれないがお風呂に入ってなかったらしい。

着ている服は、もはや服という形ではなく、ただのぼろきれ。

お風呂に入れるのがものすごく大変だったらしい。

何回も何回も石鹸つけてこすっても、垢のこびりつきがとれない。

長い時間をかけて、何回もお風呂に入れて、やっときれいになったそう。

すっかり栄養失調も治って、退院できそうなのだが、問題は家。

何と、持ち家の一軒家らしい。

しかも自分名義。

家という財産があるので、生活保護が受けられないらしい。

若い時に頑張って家を購入していたのか、親から譲り受けて名義を変えていたのか。

家というのは財産だとみなされるので、生活保護を受ける時には邪魔になる。

何の財産もなく、身寄りもないのが一番良い。

一生懸命働いて、家を買ったり、モノを買ったりしても、健康でなければ何にもなりませんね。

結局人間、最後は体ひとつなんだなと思います。

 

 

 

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