私が小学生の頃、同級生に首が常に右に傾いている男の子がいた。
担任の女性の先生が心配して、何とかその子の首を治せないかとあちこち奔走したらしい。
今から50年くらい前のことだから、今のようにいい医者はなかなか見つからなかったと思うが、
やっと手術してくれる医者が見つかり、担任はその子の両親に手術を勧めた。
両親は説得に応じ、手術をすることに一旦は同意した。
が、少しして「やっぱりやめます」と言ってきたらしい。
理由は
「手術が痛そうだから、かわいそう」
担任はとても悔しがっていた。
「一時痛くても、後から手術してよかったと絶対思えるはずなのに」
と。
私も子供ながらに、担任の先生の気持ちが痛いほどよくわかった。
その教師はよく、
「子供をかわいがるということは、いい服を着せることやぜいたくな食事をさせることではなく、
病気になったら治してやることだ」
と言っていた。
あの男の子、あれから転校したけど、どうなっただろうか。
教師をやっている友人から聞いた話。
ある日受け持ちの小学校高学年の女の子が遅刻してきた。
理由は「虫歯で腫れているから歯医者に寄ってきた」
登校すると、見事に頬が腫れあがっている。
ずいぶん前から「歯が痛い」と訴えていた女の子。
でも、歯科に連れていってもらえなかったらしい。
どうしようもなくなってから歯科に行ったけど、膿が溜まっていて、腫れはなかなか引かず、発熱まで。
彼女の母親は仕事をしていて、他にも兄弟がいる。
でも、お菓子やパン作りをして友達にあげたりするような面もある。
家庭訪問の時、玄関先で帰ったがその奥はゴミ屋敷だったそう。
給食費はいつも事務から催促されないと払わない。
この親、何か違うなと思うのです。
まず、子供の健康管理が一番優先。
何を置いても、子供が具合が悪ければ病院に連れていく。
そして、家を片付け、給食費は期日までに払う。
それが最低すべきことだと思う。
お菓子作りなど後回しでよい。
子供を育てるということはそういうことなのです。
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