子供たちがまだ小学生の頃はよく熱を出して、学校を休むことがあった。
しかし、私がその頃働いていた会社は、子育て中の女性に対する配慮はなく、まったく休めなかった。
他の女性社員は子供がいなかったり、すでに成人していて、同じ境遇の人はいなかった。
面接時に、
「子供の具合が悪いとか、授業参観があるとかで、休まれたら困ります」
とお局に言われていたので、採用されたくて必死だった私は、
「両親が近くに住んでいるので、面倒みてもらえます」
と答えて採用された手前、休めなかった。
とはいえ、実家の母に看てもらうのも難しかった。
その頃の母は60代で、父も健在で運転もしていた。
しかし、息子が熱を出したと連絡すると、母は、
「何で、風邪をひかせるの」
と必ず責めるような口調で言っていた。
病気の孫の面倒を看るのは確かに大変だったかもしれない。
しかし、私からしてみれば、
親が反対した結婚を押し切って、子供を生んで、結局離婚して、
母子家庭になって、母親が働かなければならないから、
こんなことになるんだ!!
そう責められているように聞こえた。
娘の人生をコントロールできなかった無念さみたいなものが、そんな言葉になって出たのかもしれない。
いつもいつも、そんな風に言われると、つらくてたまらなかった。
だから、子供たちが病気になっても、母にお願いしたことはその後ない。
枕元に食べ物や薬を置いて、
「これを食べて、薬を飲みなさい」
と言って、仕事に行ったことが何回もある。
病気の時に、小さな子供が一人で家で過ごすなんて、
どれだけ不安で寂しかっただろう。
今でも、そのことを思うと、胸が苦しい。
なんてひどい親だっただろう。
長男が2歳くらいの時、転んで顔をすりむいたことがあった。
仕事から帰ってきて、長男の顔を見た元ダンナは、
「何でケガさせるんか!」
と私に怒った。
次男がソファから落ちて腕を骨折した時も責められた。
元ダンナも実家の母も同じ。
何かあると、誰かを責めずにはいられない人たち。
責めることで自分の不安を表に出しているのかもしれない。
誰だって、風邪ひかせたくてひかせた訳じゃない。
骨折させたくて、骨折させた訳じゃない。
「大変だったね」「風邪流行っているから仕方ないよね」「私が看てあげるから、仕事頑張りなさい」
そんな風になぜ、言ってくれなかったのだろう。
働きながら小さな子供を育てる母親は、体も心も大変なんだから。
誰かに守ってほしかった自分の気持ちが、まだあの頃に取り残されている気がします。
そして、時折思い出して、その頃の自分を責める自分がいるのです。

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