精神病院に送り込まれる老人たち

老人ホームに入れない老人が精神病院に送り込まれるというネット記事を見ました。

以前勤務していた病院では、よくこういうことがありました。

骨折などで入院してきた老人。

骨折は何とか治ったけど、入院生活の間に認知症を発症してしまう。

つじつまの合わない会話をし、看護師や他の患者に暴力をふるう。

暴言で職員の業務を妨害する。

身の回りのこともできない。

これでは家に帰っても、一人暮らしはできない。

じゃ、どこに行く?

家族も同居はできないと言う。

困った家族は老人ホームを探す。

でも、安い老人ホームは待機者が多くて、すぐには入れない。

老人ホームも暴力をふるう人は受け入れてくれない。

病院からは「退院してくれ」としつこく言われる。

「行くところがないんですけど、どうしたらいいですか?」

と家族は病院に相談する。

家族も認知症になったお父さんやお母さんをどうしたらいいか、困り果てている。

「ここは認知症の人の対応は難しいんですよ。〇〇病院か〇〇病院なら対応してくれますよ」

と病院が他の病院を勧める。

こうしてその老人は精神病院に入る。

〇〇病院は精神病院です。

精神病院は今、お年寄りがものすごく多いそうです。

認知症患者でも、おとなしく寝ていてくれるような人ならいいのです。

問題なのは、看護師や他の患者などに暴言、暴力をふるう人。

そういう行為をすればすぐに「精神病院行き」となります。

精神病院に行くと、薬漬けになるそうです。

精神病院の看護師は薬配りが主な仕事だと言われるくらい。

薬漬けにされて、いつも眠たそうな、覇気のない人になっていく。

薬漬けにしないと、病院も患者の面倒をみることができないのです。

私の父も、認知症を発症した時、紹介されて行った内科で精神薬を処方されました。

あんなに元気だったのに、あっという間によだれを垂らしてどよーんとした表情になりました。

その後、入所が決まった施設の医者から

「この薬はやめたほうがいい」

と言われて、ほとんどの薬をやめました。

それだけ怖い薬だったのです。

まず、年をとったら転倒してはいけない。

骨折してはいけない。

骨折しても入院してはいけない。

入院しても、すぐに退院せよ。

これが私が勤務していた病院で学んだことです。

認知症になるのは仕方ないけど、そのために薬漬けになって人間として扱われなくなるのは恐ろしいことです。

 

 

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