母の知り合いで、80代の夫婦の話。
ダンナさんは退職してからずっと、毎日朝から晩まで出かけている。
仕事でもないのに、毎日欠かさず出かける。
奥さんにお弁当を作ってもらい、朝から車で出かけて、夕方帰ってくる。
昼間、何をしているのか、どこに行っているのか、奥さんは知らないらしい。
奥さんは足が悪いのに、一人で買い物に歩いていく。
ダンナさんの車に乗せてもらって行けばいいのに。
老人用のカートを押しながら、腰を曲げて歩く。
そのダンナさんが少し前に亡くなった。
奥さんが言うには、入院して1週間ほどで亡くなったらしい。
あっという間の出来事。
奥さんはあまりに突然すぎて、その事実を受け入れられず、とても悲しんでいた。
もともと家の中でどういう夫婦関係だったのか、他人にはわからない。
でも、夫が退職して、夫婦がずっと一緒に家の中にいると、必ずもめる。
だから、もめないように夫が黙って毎日出かける。
一緒にいなければ、もめることもない。
これは合理的なのではないでしょうか。
私の母も、父が退職して毎日家にいることをいやがっていました。
家事にあれこれ口出しをするからなのです。
特に男の人は退職すると、「することがない」と家でゴロゴロしている人が多い。
夫婦それぞれ、早いうちから自分の世界を作ることって大切だなと思います。
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