母は88歳。
2年前に転倒して、骨折こそしなかったものの、足や腰をひどく痛めて一時、歩けなくなった。
2週間入院した後、近くの整形外科に転院。
この整形外科がいまいちだった。
毎回、膝の水を抜かれる。
理学療法士が足を診てくれるけど、足を伸ばしたり曲げたりするくらいでたいしたことはしない。
理学療法士に
「足が曲げられなくて、正座ができないんですよ」
と訴えると、
「正座くらいできなくてもいいじゃないですか」
と言われたことに母は傷ついていた。
あとは痛み止めの薬をもらうだけ。
このままここに通ってもただの『気休め』にしかならない。
そう思った私は、自分が通っていた整骨院に行ってみたら?と勧めてみた。
母は整形外科に行くのをやめ、半信半疑で整骨院に通い始めた。
最初は3日に1日、私が付き添い、落ち着いたら1週間に1回連れていった。
整骨院の先生に、
「整形外科で『正座くらいできなくてもいいじゃないですか』と言われたんですよ」
と話したらしい。すると、
「今までできていたことはできるようになりますよ」
と言われ、母は一気に信頼を深めたよう。
現在は2週間に1度、母は自分自身で整骨院に通っているが、
とうとう30分も正座ができるようになったらしい。
母は私に会うたび、嬉しいのかこの話をする。
そして、この間整骨院の先生に、感謝の気持ちとして1万円を包んだらしい。
先生は一旦は断ったらしいが、受け取ったとか。
本当に母は嬉しかったんだと思う。
整骨院の先生が自分の気持ちに寄り添ってくれて、一生懸命治療してくれたこと。
母の近所に住むお年寄りは、近くの整形外科に毎日毎日通っている人が多いらしい。
電気を当ててもらい、百十数円を支払う。
安いけど、状態は何も変わらない。
整形外科がすべてダメだと言うつもりはないが、
「生かさず殺さず」
のような状態でただただ長く通院させるやり方は、問題だと思う。
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