母を病院に連れて行った時のこと。
母が何かと私をほめるのです。
まあ、病院に連れてきてもらっているという負い目みたいなのがあるからでしょうか。
子供のいない弟夫婦を引き合いに出して、
「あの二人は世間知らずで頼りにならん」と言い、
「やっぱりね、子供を生んで育てて苦労してこそ一人前よ」
こういう考えはかなり偏見がありますが、母はそういうことをよく言います。
「あんたは先生の資格も介護の資格も持ってるから、色々詳しいし頼りになる」
と私をほめて、弟夫婦のことを
「二人とも大学出たっていうけど、たいした資格も持ってないし、大学行ったっていうだけよ」
とけなす。
弟は法学部出身だけど、今はIT関係の仕事をしています。
母は「法学部なんて弁護士でもならんと何の意味もない」と言います。
義妹は確か文学部。
卒業後は一般事務をしていたようなので、特に資格は持ってないのかもしれません。
「やっぱりね、大学行くなら役にたつ資格をとらんと意味がない」
と母は言います。
そして、短大出身だけど、教員免許を持っている私をほめるのです。
大学は資格をとるだけの場所ではないことはわかってるけど、
そういう古く固執した考えの人もいます。
せっかくお金をかけて大学に行くのなら、就職に役立つ、何らかの資格をとってほしいと願う親心はわかる気がします。
芸は身を助くと言います。
何でもいいので資格を持っていれば、いつか役に立つ日が来るかもしれません。
大学で資格を取るのもよし、卒業してから勉強して取るのもよし。
大学で「とりあえず取れるものを取る」のではなく、必要と思った時、自分で苦労して取るのが本当の意味での資格だと私は思います。
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