今朝、起きて仕事に行く用意をしていたら、Jアラートなるものが発令されているのを耳にしました。
「ん?Jアラートって聞いたことあるけど、何?」
と思った人は多かったのではないでしょうか。
Jアラートとは、『全国瞬時警報システム』というそうです。
日本政府は、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、日本に飛来すると判断したため、このJアラートで避難を呼びかけたのです。
今朝の午前6時2分に発令されたのですが、北朝鮮のミサイルは、わずか4分後に北海道の襟裳岬上空を通過したそう。
この4分という短い時間の間に、人々は避難したのでしょうか。
「どうしたらいいの?」ととまどっただけで何もしなかった人。
「普通に寝てました」という人。
「会社に遅刻するわけにはいかないので」と仕事に普通に行った人。
そんな人たちがほとんどだったのでは。
あれだけの通知で、本当に避難すべきかどうかわからなかったというのが普通なのではないでしょうか。
仕事に行く前に避難して、それで仕事に遅れたら上司に怒られそうですよね。
頑丈な建物か、地下に避難するようにと言ってるけど、頑丈な建物っていったいどこ?
自分のうちのマンションでもいいのかな?
地下はこの辺りにはないし。
そんな人も多かったでしょう。
こういう時、人は『正常性バイヤス』という状態に陥るのだそうです。
正常性バイヤスとは心理学用語で、バイヤスは先入観とか、偏見という意味。
異常事態にあっても異常を認めずに平静を保とうとする心理のことです。
これは、人間が日々の生活を送る中で生じるさまざまな変化に、心が過剰に反応し、疲弊しないために必要な働きだそうです。
そして、『同調性バイヤス』は集団の中にいるとついつい他人と同じ行動をとってしまうこと。
周囲の人の行動をうかがって、皆の行動に合わせてしまうというのはよくありますよね。
このふたつのバイヤスが働き、人々は
「自分だけは大丈夫」
「皆が避難していないから大丈夫」
という心理になり、結果的に避難が遅れてしまうことになるそうです。
自分が危機を認識できていないかもしれない、避難が遅れているのかもしれないという冷静な認識を持つことが大切なのです。
日常生活を送っている中、ミサイルが発射されたと聞いても、私たちは『対岸の火事』のように感じてしまいます。
平和ボケしているとも言えるし、緊張感がなさすぎるというか、日本人の国民性もあるかもしれませんね。
しかし、一番問題なのはやはり政府の情報の伝え方です。
ただ、頑丈な建物か地下に避難しろというだけでなく、もっと具体的で細かい説明をすべき。
正しい知識を伝えてくれないと、私たちも正しい行動をすることができないのです。
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