土曜日、建築士さんに二重窓の見積もりに来てもらった時のこと。
我が家に一歩足を踏み入れた先生は、
「素敵なインテリアですね」
と褒めてくれた。
窓の採寸などをした後、二重窓の窓枠を何色にするか、という話になった。
「先生は何色がいいと思いますか?」と聞くと、
「このリビングの魅力は、白い壁や白いブラインドと植物のグリーンの調和だと思いますよ」
「だから、ホワイトがいいと思います」
と言われた。
しかし私は、以前から濃い色の窓枠にしたかったので、濃いブラウンにすることにした。
せっかくの建築のプロの助言をまったく無視する私。
それから建具の話になった。
我が家はリフォームの時に予算の都合上、建具は替えなかったので、
恐らく建築当時からあるリビングドアを指して、
「格子がたくさんあって掃除がしにくいし、古臭いので替えたいんです」
と言った。すると、
「これは残しておいた方がいいですよ。こんなドアは今はもう作れません」
「このドアは無垢なんですよ。だから素材としての価値もあります」
と言われた。
そうなんだ…このドアって、いい物なんだ。
建築士の言うことだし、プロ目線だから間違いない。
大嫌いだった古臭いドアが、急に輝きを帯びてきた気がした。
新しいものがいいと思っていたが、このドアにそんな価値があるなんて。
今度ちゃんと掃除しよう。
今まで格子がたくさんあってめんどくさいからと、丁寧に掃除をしていなかった。
これからは大切にしようと思う。
普通の業者さんなら、「これを替えたい」と言えば、すぐに買い替えを提案してくるもの。
それなのに、古いものの価値をちゃんと教えてくれた建築士さんに、
私はなお一層、信頼を寄せたのでした。

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