【突発性難聴】後遺症の苦しみと治療の後悔

カメラ目線の白と茶色のウサギ

突発性難聴という病気を耳にすることは多いと思います。

芸能人がこの病気でしばらく休業したという話をよく聞きますよね。

私の周囲でもかかったという人はいます。

突発性難聴は意外と身近な病気で、誰でもかかる可能性があります。

発症した後、どういう経過をたどるのか、実際かかった私が感じたこと考えたことなど、書きたいと思います。

発症したとき

私が突発性難聴におそわれたのは、もう15年ほど前のことです。

突発性難聴というのは、発症した時や症状がわかりやすいと言われています。

いつの間にか聞こえにくくなったというのは、突発性難聴ではありません。

ある日突然、何の前触れもなく、耳鳴りが起こったり、めまいがしたり、音が聞こえにくくなるのです。

私の場合、ある朝起きてすぐに右耳に違和感を感じました。

かなり大きい音でキーンと耳鳴りがするし、聞こえにくさを感じました。

すぐに調べると、

「突発性難聴は1週間以内に治療を始めることが、完治の鍵になる」

と書かれていたので、その日仕事帰りにすぐに耳鼻科に行きました。

やはり、『突発性難聴』との診断でした。

40代くらいから多くかかる病気で、主な原因はストレス。

血管の血流障害とか、ウィルス感染とか色々な原因が考えられるそうですが、はっきりとしたことはわかっていないそうです。

その日は薬をもらって帰り、毎日かかさず飲みましたが、症状は改善せず。

4日後にもう一度耳鼻科に行きましたが、医師から

「大きな病院にかかり、入院して『点滴で副腎皮質ホルモンを大量に投与する』という治療をすれば完治する可能性がある」と言われました。

紹介状を書いてもらい、大きな病院へ。

そこでやはり入院を勧められました。

しかし、子供たちがまだ高校生と中学生で家のことが心配であること。

仕事も超多忙で、1週間も休めるような状況ではありませんでした。

両親にも誰にも相談しませんでした。

入院せずに服薬で様子を見ることを選択しました。

それからも服薬を続けましたが、症状は改善することはなく、いつしか通院も辞めました。

突発性難聴でのコミュニケーション

最初は耳鳴りが気になってなかなか寝つけなかったのですが、時がたつにつれて少しずつ慣れてきました。

しかし、聞こえにくさは変わりません。

聞こえにくいことで、人とのコミュニケーションに支障をきたすことが度々ありました。

右耳が聞こえにくいため、右側から話しかけられると、まったく聞こえません。

なので、向きを変えてわざわざ相手の方に左耳を向けて、聞き直さなければなりません。

人と話す時はできるだけ、左耳で聞けるように体勢を考えます。

そして、周囲が騒がしい所ではやはり聞こえにくい。

はっきりしゃべる人ならいいけど、ぼそぼそしゃべる人の声はやはり聞き取りにくいです。

突発性難聴を患う苦しみ

自分が突発性難聴であることをカミングアウトしたことも何回かありましたが、ほとんどの人はそのことをすぐに忘れます

そして、わざとではなく、聞こえにくい方から話しかけてきたり、小さい声で話したりしてきます。

他人は、どっちの耳が聞こえるかなんて、そんなのいちいち覚えてないのです。

聞こえにくい相手に話しかけるのは面倒というのが普通の人の考えることでしょう。

私は「片耳が聞こえないことを言ってもダメだ。聞こえる範囲でコミュニケーションをとろう」と決めました。

聞こえなくて聞き返したい時もあるけど、何回も聞き返すことはできないので、あいまいにうなずいて、適当に話を合わせたことも数えきれないほどあります。

集団で話している時は、全員の話が聞き取れないことも多いので、あえて聞き役に徹します。

特に自分が発言しなくても、成立するからです。

以前、勤めていた職場で年上の女性に

「耳が聞こえにくいの?」

と言われたことがあります。

こういうことを言われたのは一度だけ。

やはり、普段接しているとわかるものなのだと愕然としました。

他にも気づいた人はいたかもしれない。

でもあえて、何も言わないのかもしれない。

自分では上手に隠してきたつもりだったのに

そんな気持ちになり、人と話すことが嫌になったこともありました。

でも、仕事をしていると誰とも話さないというわけにはいきません。

障害年金を受給しようとしたけど

突発性難聴で障害年金は受け取れるか

障害年金を受給できたらと思い、サポートセンターに相談し、医師に診断書を書いてもらうなど試みましたが、結果的にはだめでした。

突発性難聴でもし障害年金が認められたとしても、受け取れる額は多分一時金の100万程度だろうと言われていました。

100万もらえたら嬉しいけど、これからも生活していけるという額ではありません。

耳が聞こえにくくても、これからも働くことを辞めることはできないのです。

働くということは他人とどうしても関わらなければなりません。

それなら、この耳とうまくつきあっていくしかないと私は覚悟を決めました。

治療に対しての後悔

もともと、私は人と話すのが大好きなタイプです。

どんどんコミュニケーションをとりたいタイプです。

それなのに、こんな病気になってしまった。

あの時、入院して徹底して治療すればよかったのです。

できるかぎりの治療をしてもだめだったのなら、まだあきらめはつく。

でも、それをやらなかったことを今でも後悔しています。

発症して1ヵ月もたつと、聴力は固定してしまい、もう聴力を取り戻すことはできないのです。

突発性難聴は誰でもかかる可能性がある

突発性難聴にかかる人は近年増えているそうです。

ストレス社会だからでしょうか。

かかった人の3分の1は完治し、3分の1は難聴が残り、3分の1は治らずに終わるそうです。

もしも、あなたが突発性難聴にかかってしまったら、すぐに大きな病院にかかって下さい。

薬を飲んでも効果がなかったら、医者の言う通りの最大限の治療を試みてください。

今なら、もっといい治療法があるかもしれません。

どうか、後悔のない治療をしてください。

私のような後悔をしないようにしてください。

 

 

 

 

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