私の叔父は10数年前に、60歳を目前にして亡くなりました。
職場で心筋梗塞で倒れ、1ヵ月近く病院に入院していましたがそのまま亡くなりました。
亡くなってしばらくして、叔母が
「お父さんが会社の人にお金を貸していたと言っていた。返してもらいたい」
と言い始めました。
叔父が亡くなる少し前、叔母に
「会社の人にお金を貸してくれと頼まれた」
と言って、数回に分けて100万くらい持っていったらしいのです。
しかし、その相手の名前がわからない。
それで叔母は、叔父がいた会社のある女性に会って、情報を聞き出そうとしたらしい。
結局、たいした情報はなく、貸した相手の名前はわからなかったそうですが、その女性は
「〇〇さんは人にお金を貸すような人ではありませんでした」
と言っていたそうです。
つまり、自分を犠牲にしてまで人に大金を貸すような、そんな面倒見のいい人ではなかったということです。
そうこうしていると、叔父の遺品の中から振込用紙の控えが3枚見つかりました。
聞いたこともないような会社の名前あての振込が3件。
それぞれ、30何万、40何万などの数字が並んでいます。
この振込用紙を見た私はすぐにピンときました。
その頃、流行り始めていた架空請求にだまされたのだと。
叔父はおそらく、何かのサイトを閲覧し、その直後画面に出る
「ご登録ありがとうございました。登録完了。〇〇〇〇円。何日までにご入金ください」
などの架空請求にだまされ、お金を払ってしまったのではないか。
このことを叔母に説明しましたが、叔母は私の言うことには耳を貸さず、叔父がまだ会社の人間にお金を貸していると信じていました。
この振込は会社の人あてだと。
だから何としてでもお金を返してもらうと言っていました。
叔父がそんなものにだまされていたなんて、信じたくなかったのでしょうね。
生前は離婚寸前までいってたくらい仲が悪かったのに、叔父があまりに急に亡くなったからでしょうか。
叔父の存在は美化されて、叔父の死が受け入れられないようでした。
こんなことがあって、私は思いました。
ある日突然死ぬのはいやだ。
いつ死んでもいいようにやっぱり身辺整理はしておきたい。
叔父もなぜ、そんなものにだまされたのか。
相談できるような人が周囲におらず、悩んだ挙句、お金を支払ったのでしょう。
しかし、振込用紙を処分していれば、色々詮索されることもなかったかもしれません。
私が働いている病院の同僚の看護師は、雑談の中で
「もし死ぬならガンで死にたい。ガンなら死ぬまで少し時間があるから色々準備ができる」
そう言っていました。
身近にガンで亡くなった方がいらっしゃる方には不謹慎な話かもしれませんが、現場の看護師はそう言う人が多いです。
知り合いの人のお母さんは胃がんでした。
昔だったので本人にはガンを告知しませんでしたが、ご自身は気づいていたようで、亡くなるまでの数回の退院中に家の中を整理したり、会いたい人に会いにいったりしていたそうです。
自分の余命がどのくらいかはっきりわからなくても、時間があれば身辺を整理できるし、会いたい人にも会いに行ったりできますよね。
人の寿命はわかりません。
病気はもちろん、いつ事故に遭って死ぬかもしれません。
普段から身辺をキレイにしておくに越したことはないでしょう。
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