高校の時から仲のよい友人から、「娘の就職を世話してほしい」と頼まれました。
その娘さんは現在21歳、介護福祉士養成の学校を卒業して介護福祉士の資格を取得しました。
卒業後、施設に就職したのですが、看護師や理学療法士に本人曰くいじめられて、退職に至ったそうです。
その後は菓子製造のパートとして現在も働いているのですが、給料がかなり安いらしく、ボーナスもすずめの涙とのこと。
その職場も業績が悪く、未来も危ういので、できれば正規で介護福祉士として働きたい。
私の友人は娘の将来を案じて、資格が生かせる仕事ができないかと私が勤務する病院に就職できないかと頼んできたのです。
しかし、その娘さんは書き物が苦手だということ。
介護の現場でもそうですが、私が働いている病院も記録することは多いです。
患者さんの状態をパソコンで記録することはもちろん、看護計画に対する評価、考察なども毎月しなければなりません。
また入社して3年間はパワーポイントでの研究発表もあります。
それ以外にも委員会活動や〇〇係などもあります。
ただ、介護だけをやっていればいいのではなく、結構大変です。
今日、その娘さんと友達と会ったので病院の勤務状況を話すと、やはりそのような職場は無理だろうということになりました。
では、どんな職場がよいのかということになり検討。
娘さんは友達がグループホームで働いているとのことで、グループホームによいイメージを持っているようでした。
グループホームとは認知症高齢者が共同生活を送る小規模な施設です。
9人がひとつのグループになっているところが多いです。
個室が用意されていますが、だいたい中央に大きなリビングスペースがあり、そこでお年寄りたちは塗り絵をしたり、本を読んだり思い思いのことをして過ごします。
介護者は危険がないように見守ることが主な仕事です。
夜は介護者一人で全員を見ることになるので、何かあった時は不安かもしれません。
また、私の友人が特別養護老人ホームに勤めているのですが、その施設もユニット制で10人を1人の介護者が見るというスタイルだということです。
10人くらいなら見るのもそれほど苦にはならないし、記録などもほとんどない。
委員会、係などもない。研修もあってないようなものらしいです。
ボーナスは少し少ないようですが、給料は私よりずっと多いです。
介護だけに集中すればいいので、ある意味働きやすいかもしれません。
また、転職エージェントに登録して、就職をサポートしてもらう方法もあることも伝えました。
娘さんと友達はしばらく考えてみるとの返事でした。
介護士をめざす人がどんどん減り、介護福祉士養成の学校も次々と消えている昨今、自ら介護福祉士養成の学校に行き、資格をとったのに、それを生かせてないのはとても残念です。
看護師も介護士も同様で、現場の厳しさや人間関係の軋轢に疲れ、せっかく取得した資格を生かせず、別の仕事に就いている人が多くいます。
人前での発表やレクリエーションがイヤでイヤで、仕事を辞めたという話もよく聞きます。
研究発表や委員会活動、記録物がそんなに大切でしょうか。
国家資格を持って働いている以上、自己研鑽をしなければならないことはわかりますが、職場はもっと柔軟に個別性を持った職員教育をすべきではないでしょうか。
できないことを無理やりさせたり、全員に同じカリキュラムを押し付けるのではなく、できることを無理なくさせる、得意なことを伸ばす、できないことは無理強いしない、このようにすることは無理なのでしょうか。
そうすれば、もっと資格を持った人達が生き生きと働ける職場ができるのでは、と思うのです。
友人の娘さんによい就職先が見つかるように祈っています。
そして、これから資格を生かして高齢者のために頑張ってほしいと思います。
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