【こひつじ園】介護職員の殺人事件について思う

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私は病院で介護の仕事をしています。

安倍元首相の国葬の話題などそっちのけで、職場のみんなが話題にしていたのがこの

『こひつじ園で50歳の介護職員が、92歳のおばあさんを殴り殺した事件』です。

この職員は夜勤専従だったらしく、夜中にこのおばあさんから

「体が痛い」

と訴えがあり、確認したけどどこも悪い所が見つからなかった。

おばあさんは耳が遠いこともあってか、納得せず、

「バカ」

と言ったので、頭にきて平手で2回頭を殴ったら、

「覚えておく」

と言われ、さらに頭にきて20分間殴り、最後にはポットのお湯を気付のためにかけて死亡させたという事件。

もちろん、殺人は言語道断です。

許されることではありません。

職場のみんなも

「殺さなくてもよかったのに」

といいつつ、

「でも、気持ちはわかる」

とほとんど全員が言っていました。

92歳ともなれば、年齢相応の認知症もあるかもしれません。

しかも、これだけはっきりとしゃべることができるおばあさんです。

夜中にナースコールで呼ばれ、どこかが痛いと言われても実際どうしようもありません。

まあ、湿布を貼るくらいでしょうか。

その職員も

「ここら辺?じゃ、湿布貼ってみましょうか」

とか言って、うまくかわせばよかったのに。

たった一人で、夜勤をしていたのでしょうか。

誰か他の職員に対応を代わってもらうという方法はなかったのでしょうか。

「バカ」

とか言われたら、相手が認知症でもお年寄りでもやはり頭にきます。

私たち介護職員は、そんな仕打ち、しょっちゅう受けてます。

この間なんか、オムツを替えていたらいきなりを殴られました。

お風呂に入れていたら、胸を蹴られました。

頭にきたけど我慢して怒りをぐっとこらえて、離れた所で小さな声で

「くそばばあ!」

と独り言を言った私。

殴り返すわけにはいかないし、こんなことを言うくらいしか。

夜中に何回も何回もナースコールを鳴らしてきて、

「ご飯まだですか」

「起こしてください」

などと言うお年寄りは本当に多い。

「もうご飯食べました。夜中だから寝て下さい」

とできるだけ、感情を入れずに言って、さっさと立ち去ります。

わざわざ部屋まで走っていって、同じことを何回も言われたら頭にくるものです。

介護職員はこういうお年寄りとのやりとりが一番ストレスになるのです。

だから、今回の事件の介護職員の気持ちもわからないではないのです。

その日だけでなく、普段からも同じようなやりとりがあったのかもしれません。

普段からの怒りや恨みが蓄積して、その夜爆発したのかもしれません。

アンガーマネジメントを学んだ人はわかると思いますが、人は6秒待つと怒りを抑えることができるそうです。

これを「6秒ルール」と言うそうですが、この6秒が意外と長い。

6秒も待てるかって感じです。

介護職員がお年寄りを殺したという事件は、割とよく耳にします。

一般の人たちはこういう事件に対して、犯人を一方的に非難します。

もちろん、殺人は絶対にダメです。

でも、同業者としては少し同情の余地はあるな…と思うのです。

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