美意識の高かった高齢者 

私は療養型病院で介護福祉士をしている、アラ還の女性です。

最近、入院している高齢者でアートメイクをしている人が多くなってきました。

アートメイクというのは、皮膚のごく浅いところに針を使って色素をいれていく医療行為です。

だいたい、眉毛で5万~、アイラインも5万~、唇は10万~くらい費用がかかるそうです。

自然な仕上がりを目指すと、価格も上がっていくようです。

現在入院中の寝たきりの人なのですが、ある80代と90代の人が眉毛とアイラインの上だけ、アートメイクをしています。

また、60代の自分のことができるしっかりした人ですが、この人は眉毛はもちろん、アイラインも上下に入れています。

アイラインはくっきり、はっきりしていて、目力がすごいです。

ちょっとキツイ感じもします。

「アイライン、きれいに入れてますね」

と話しかけると、

「うん、本当は唇もしたかったけど、高くてやめた」

「いくらくらいしました?韓国で?」

「日本で、もう20年くらい前に30万くらいだったかなー」

とのこと。

20年前はそれほど普及してなかったと思いますが。

私も5年くらい前に韓国に行った時、小顔マッサージに行って、アートメイクを勧められたことがあります。

確か、眉毛で3万ほどで、日本でするのより破格に安かったのですが、その時は勇気がなくてやめました。

その後、やっぱりやればよかったかな、眉とかいちいち書かなくて便利だしなと思っていました。

しかし、寝たきりの高齢者がやっているのを見て、微妙だなと感じます。

もちろん、施術してから数年経っていると思われるので、色は少し薄くはなっています。

若い時はメイクも簡単ですむし、よかったのでしょうけど、寝たきりになると化粧もしていないし、しわやたるみがあって、ただアートメイクだけが不自然に浮いて見えるのです。

同僚も「やっぱり不自然よね。私もしようかなと思ったことあったけど、しなくて正解だった」と言ってる人が多いです。

若い時は美意識の高い人だったのでしょうね。

でも、年をある程度とったら、自然なのが一番だなと思います。

全体的に自然と老けていくのが、美しく見えるのではないでしょうか。

それから、80代の人で豊胸手術をしていた人がいました。

豊胸手術をしている人は珍しいのですが、なぜ豊胸手術をしているとわかったと思いますか?

胸に詰めていたシリコン?のパックがずれて、鎖骨の方にまで移動していたからです。

両方とも移動しているのですが、位置が左右で違う。

これってずれるものなんですねー。

豊胸手術って怖いですね。

昔々の手術だったので、技術がまだまだだったのか、経年劣化なのか。

特に健康上問題はないようでしたが、鎖骨の辺りが不自然に盛り上がっているのは気の毒というか、何というか…。

寝たきりで話もできない人だったので、かえってよかったと思います。

きっと話せる人だったら、職員が「これどうしたの」と興味半分で聞いてたと思います。

もうだいぶ前に退院した人で、腕に「16才」と自分で彫っていた女性がいました。

16才の時、その人に何があったのでしょうか。

聞いたけど、かなり認知症が進んでいて要領を得ませんでした。

まあ、自然が一番私は今後もアートメイクはしないぞという結論でした。

 

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