腰椎すべり症で入院中の母が電話してきました。
「今、トイレからかけてる」
と暗い声。
隣に入院しているおばあさんに聞いたとかで
「先生に3万円包まなければいけないらしい」
と言うのです。
母は30年くらい前に大きな手術をしたことがあり、その時も執刀医に5万円ほど包んだそうです。
あの年代の人は入院、手術をするとなれば、医師にお金を包むのが当たり前だという認識のようです。
医師にお金を包むということは、自分によくしてほしいということでしょう。
しかし、医師はお金をくれた患者に対して、特別なことをしてくれるのでしょうか。
くれないからと言って、手を抜くのでしょうか。
医師はできうることを精一杯してくれるはず。
だと私は信じているのですが、違うのでしょうか。
しかも、母は主治医の名前もわからないというのです。
手術をするわけでもないし、多分母が一番関わるのは理学療法士のようなリハビリ担当だと思います。
医師は回診の時に話を聞いて、後は薬を処方するだけだと思います。
看護師にもお世話になることは多いでしょう。
それなのに、医師だけにお金を包もうと言うのです。
昔の話ですが、母は40歳すぎて自動車学校に通った時、担当の教官に1万円包んだそうです。
すると、「普通教えてくれないようなことを教えてくれた」と鼻高々に言っていました。
車庫入れの時、ミラーにこれが映ったらハンドルを何回きる、みたいなことです。
これはお金を包まなくても教えてくれることだと思いますが。
そのおかげかどうかわかりませんが、40歳過ぎていたのに割とスムーズに合格できました。
そして、私が自動車学校に通っていた時、母は教官に1万円ほど包めと私に言ってきました。
私は素直にお金を用意して、教習時に教官に渡そうとしたのですが、
「こんなことはしなくていい。補習にお金がかかるからそれに回しなさい」
と言われ、受け取ってもらえませんでした。
そのことを母に言うと
「あんたの渡し方が悪いからよ」
と叱られたのです。
私はこの時の教官の言動が嬉しかったし、信頼できる人だと思いました。
母は力のあるものにお金を渡して、よきに計らってもらいたいという気持ちが強いようです。
しかし、私はこんなやり方は大嫌い。
お金で人を動かすような真似をするのはイヤです。
そんなことを思っていたら、昨夜また母から電話あり。
「今週の金曜日に退院できることになった」
と言うのです。
医者への付け届けの件はどこへやら。
退院時は弟の嫁が付き添ってくれるようです。
退院するのはいいけど、毎日仕事帰りに様子を見にいかないといけないでしょう。
2.3日は泊まった方がいいかも。
ああ、それも大変だなあ。
まだまだ仕事に慣れないので、毎日疲れ果てているのです。
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