[認知症]自慢話が止まらないおばあさんたち

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私が働いている療養型病院には、たくさんの高齢者が入院しています。

ほとんどが80歳以上の認知症の方です。

そしておばあさんたちは夫や子供の自慢話が大好き。

今、入院している90歳のおばあさんは食事をしたことも忘れるほどの認知症ですが、自分の頭がはっきりしていると思っていて、かなりプライドが高い。

料理教室の先生をしていたらしく、生徒を何十人も持っていたと聞いてもいないのに話し始める。

今も現役だと思っていて「先生、早く帰ってきて」と言われているから、早く退院して働かないとといつも言っている。

そのおばあさんの息子は歯科医で、開業しているらしいのだが、職員が少し息子について触れただけで息子の話が止まらなくなる。

学生時代から成績が良く、器用で、国立大学に合格したけど、やはり歯科医になろうと思い歯科大学を受け直し、合格した。

自分たちがお金も出してやって開業して、評判がよくて繁盛しているなど、息子の自慢話は止まらない。

もちろん、誰しも人に自慢したいという気持ちはあるでしょうけど、たいていの人は控えめに言ったり、相手の反応がいまいちであれば自慢話を止めるものです。

でもこのおばあさんは認知症であるがため、相手の態度や状況などは意に介さない。

おかまいなしに延々と話を続けるのです。

しかし、このおばあさんの家族は洗濯物もクリーニング屋さん任せで、一度も来たことがありません。

親が思うほど、子は親のことを思ってないような気もするのですが。

別のまた90代のおばあさんも、自慢話が大好き。

夫と自分は大企業に勤めていて、職場結婚をしたらしい。

息子2人も出来がよく、自分と同じ会社に就職して今も働いていると。

誰彼構わず、会う人会う人に毎回毎回その話をする。

このおばあさんもいつも

「ご飯ちょうだい。今日も昨日もご飯食べさせてもらってない」

と言っています。

自慢話をする人は圧倒的に女性が多いですね。

反対に男性は失敗談を話すことが多いです。

以前入院していたある会社の社長さんは、その時はもう社長業を引退していましたが、息子2人について、

「長男はギャンブルにうつつを抜かして無職。次男は何とかタクシーの運転手をしてるけど、いつも金をくれと言ってくる」

そう嘆いていました。

息子には社長の座を譲ることができなかったらしい。

立派なマンションを持っているようでしたが、妻も軽い認知症で一人暮らし。

息子たちが立派だったら、お父さんも安心だろうに。

この男性はもっと病状が進むと認知症がひどくなり、入院中なのに全盛期に通っていたスナックに来ていると勘違いをし、私たち職員に

「はい、ビール持ってきて」「つまみは?」

とよく言っていました。

スナック通いをしていた頃が社長さんにとって、一番幸せだったんでしょうね。

 

 

 

 

 

 

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