特別支援学校で講師として働いています。
担任を持っていますし、特別支援学校でも通知表はあります。
5段階評価ではなく、すべて文章。
国語から算数、体育、特別活動など10科目。
プラス行動の記録という欄もあります。
ひとつひとつの教科で文字数がすべて決まっています。
しかし実際は『書くことがない』
普通学級の子供なら書くことはたくさんあるでしょうけど、
体が不自由で知能も遅れている子供たちは、勉強という勉強ができないので、評価のしようがない。
発達もほとんどなく、つまり進歩がない。
できることがほとんどないので、目標もあってないようなものだし、達成もなし。
同じ子供を、持ち上がりで3年くらい担任している先生は、
「本当に書くことがない。良さそうな文章を探しながら書いてる」
と言っていました。
でも、色々言葉をこねくりまわして、やっとのことで必死で作った通知表。
学年主任に見せないといけません。
すると、びっしりと赤で訂正されます。
訂正して提出すると、今度は教務主任が見て、次に教頭、校長と渡っていきます。
もちろん、また訂正、訂正となります。汗
通知表ってこんなにたくさんの人たちがチェックして、やっと子供の手に渡されるんですね。
そんなこと、考えてもみませんでした。
本当に通知表って、先生の汗と涙の結晶なんです。
今日、ベテランの先生が、年下の学年主任の先生から通知表について指摘されていました。
ベテランですからプライドがすごく高い。
その先生に対して、
「申し訳ないんですけど、ここがこうなので、こういう風に書いてほしいんです」
「先生のおっしゃりたいことはわかるんですけど、申し訳ないんですがこんな風に書いてもらえませんか」
そんな感じで、「お願い」しているのです。
何十年も通知表を書いてきたプライド高き先生に、訂正してくれというのは本当に言いにくいですよね。
言われた方の先生は、ふてくされたみたいに聞いている。
「はいはい、やればいいんでしょ」
みたいな感じ。
ああ、主任って大変。
一般の会社と学校というところは全然違う。
一人一人の先生が個人事業主みたいな感じ。
主任の言うことなんて、聞きやしない。
主任は全体をまとめる立場ということになっているけど、先生たちを立てることを忘れてはいけないのです。
今、私も通知表提出中。
きっと、いっぱい訂正されて返ってくるでしょう。
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