母と自動精算機

母と会うのが憂鬱です。

会うといつも同じ話をされるから。

そしてこの話が愚痴ばかり。

聞いていて少しも面白くない。

へえーとか、ほんと~とか言えるような面白い、新しい話題なら聞きたくもなるけど、

愚痴や文句は聞くのが嫌になる。

母自身は、自分が愚痴を言っているという自覚はまったくない。

この間会った時、何かの拍子に私が

「最近、愚痴が多くなったね」

と言うと、

「何が愚痴よ。愚痴とか言ってないよ」

と怒り気味に言う。

「いつもこれが嫌とか、したくないとか、わからんとか、そんなのばっかりぐずぐず言うよね。それが愚痴よ」

と私が言うと、

そういうのは愚痴じゃないよ。ただの話よ

とまたまた怒り気味に言うので、もう何も反論しなかった。

本人が言っているという自覚がないのが、愚痴なのかもしれない。

愚痴の意味を調べてみると、「言っても仕方のないことを言っては嘆くこと」だそうです。

母が言っているのは、まさに言っても仕方のないこと。

特に最近いつも言っている愚痴は

「あちこちに増えてきた自動精算機が難しくて使えないこと」

通っている皮膚科が最近、自動精算機になったそう。

病院にはバスに乗って何とか行けるのですが、この自動精算機の使いかたがとにかくわからないらしい。

受付の人に診察券をもらったら、機械のところに行き、バーコードをかざすと診察料がわかるというしくみ。

しかし、『バーコードをかざす』というのができないらしい。

いつも、後ろに並んでいる他の患者さんに代わりにしてもらうらしい。

「受付の人に、できないからしてくださいって言えば?」

と私が言うと、それは恥ずかしくて言えないらしく、

「あの機械、ほんとにいや」

とごまかす母。

高齢者だし、わからないことを聞くのがそんなに恥ずかしいのでしょうか。

そういうところは、妙にかっこつける母なのです。

それから、いつも一緒に行くスーパーでのこと。

何回も何回も行っているスーパーなのに、いまだにこのスーパーでも自動精算機が使えません。

自分で商品のバーコードを読ませるタイプのものではなく、ただお金を払うだけなのですが、

いつも機械の前で固まってます

私にしてもらおうと、待っているのです。

自分でやらないので、いつまでたっても覚えない。

しかも、画面を指先で力いっぱい押します

そんなに押さなくても反応するって。

そして、買い物が終わって帰りに必ず、

「あー、もう年よりには生活しにくい世の中になった。近所の人もみんなそう言ってる。わからんことばっかり」

とグチグチ言うのが定番。

毎回、これにうんざりするのです。

私はこんなグチグチ言う年寄りには絶対ならないぞと、いつも心に誓うのでした。

 

 

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