家族構成は、『寿命』と関係があるそうです。
精神科医の和田秀樹先生がこのように書いているのを見ました。
「大家族と聞くと和気あいあいを想像しますが、現実は異なります。
日本人は家族にも遠慮する一面があり、一緒に暮らすと食事の好みや生活スタイルの違いからイライラしがちです。
独居老人と同居老人では、同居のほうが自殺者が多いという統計もあります。
独居は寂しそうに見えますが実は気楽で、同居は楽しそうだけど実はストレスが多いのです」
ああ、なるほど、本当だと思いました。
母の古くからの友人の話です。
分譲マンションで一人暮らしをしていたのですが、長男夫婦が同居しようと言ってきたので、マンションを売却し、新築一戸建ての費用を一部負担して、同居を始めたそう。
同居が決まった時は
「長男が一緒に住もうって言ってくれた」
ととても嬉しそうだったそうです。
マンションを売ったお金を長男に全部渡して、立派な一戸建てが建ち、同居がスタート。
1階の6畳一間がおばあちゃんの部屋。
最初は同居もよかったようですが、次第にうまくいかなくなりました。
専業主婦の嫁は、おばあちゃんに台所仕事を一切させませんでした。
まあ、これはよくある話です。
主婦が2人いると家はうまくいかなくなると言います。
孫二人も最初はおばあちゃんの部屋に行っていたそうですが、そのうちまったく近寄らなくなったそうです。
というのも、孫がおばあちゃんの部屋に行くと
「おばあちゃんの邪魔になるよ」
とお嫁さんが毎回呼びに来るので、だんだん孫は近づかなくなったそう。
家にいてもヒマで仕方ないので、用事もないのに、毎日毎日遠いスーパーやデパートまで歩いていっていたそう。
嫁が作る食事は濃い味、肉が中心で、おばあちゃんの口には合わず。
長男夫婦と子供たちの食事の輪に入れなくなり、後からこっそり一人で食べたり、部屋でこっそり買ってきたものを食べたり。
そうやって孤独を深めていったようです。
偶然、母がその人に会って一緒にファミレスで食事をした時、
「ああ、マンション売らなければよかった。一人暮らしの方がよかった」
と何回も後悔していたそうです。
そしてまたしばらくぶりに会った時は、完全に認知症のようになっていて、何回も同じ話をしたり、つじつまが合わない話をしたり。
その後風のうわさでは、老人ホームに入ったとのことでした。
もしも、一人でマンション暮らしを続けていたとしたら、まだ元気で暮らしていたかもしれません。
長男夫婦と同居というと、うらやましい、幸せだねと言われるかもしれません。
しかし実際は、マンション売却のお金を全て失い、家族であって家族でないような扱いを受け、何もすることがないからか認知症を発症し、ついには老人ホーム行きという現実。
子供に同居を提案されても、きっぱりと断るべきなんだなと思いました。
自分の持ち家は死守するべきですね。
自分のことは自分ですること、人に気を遣うことなく気楽に生きることで健康で長生きできるようです。
同居人がいないとと何でも自分でやらざるを得ないので、脳が活性化されて体力も維持できるのでしょう。
もし、自分の親が一人暮らしをしていても、それは長寿のため。
一人暮らしの老人をかわいそうだと思わなくていいのです。
ただ、孤独死は回避したいので、定期的な連絡は怠らないようにしましょう。
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