怖かった下の階の住人

結婚して数年、公営の団地に住んでいました。

広さは3DK。あまり便利のいい所とはいえませんでしたが、夫婦2人と小さな子供2人では十分な広さでした。

公営住宅だったので、家賃も格安。

4階でエレベーターなしでしたが、まだ若かったのでそれほど苦にはなりませんでした。

印象が悪かった下の階の住人

ただ一つの問題点は真下の階の人が一癖も二癖もある人だったことでした。

下の階の人は表向きは母子家庭でしたが、内縁の夫と見られる男性が出入りしていました。

私より年上で、子供一人もうちより少し年上。

いつも大声で激しく子供を叱りつけている声が聞こえ、言葉遣いを聞いても気の荒い人という感じでした。

嫌がらせをされる

まず、うちに近所の子供たちが遊びに来て走り回ると、すぐに電話がかかってくるようになりました。

電話に出ると、すぐに切れる。

でも、またすぐ鳴るのです。

それを何度か繰り返す、完全に下の階の住人の嫌がらせでした。

小さな子供なので、注意してもなかなか聞かなかったのですが、細心の注意を払って生活していました。

それから、うちの上の階から水漏れしたことがありました。

その時たまたま私は子供を連れて外出していたのですが、5階の水漏れさせた当人と3階の住人とでうちに勝手に入り、水漏れの掃除をしていたのです。

「4階で止めなければ、もっと下に漏れるから」というのが理由でした。

自分のいない間に勝手に家に入られ、掃除されるなんてどんなにイヤなことでしょうか。

鍵を安易に貸す管理人の在り方にも不信感を感じましたが、被害をくいとめたと言われると文句は言えませんでした。

家の中を見られ、「下の住民に弱みを握られた」という感じがしました。

とうとう直接対決

それから運悪く、今度は私が水漏れさせてしまいました。

その頃住んでいた団地は、洗濯機用の排水溝がなく、排水ホースを風呂場に流すようになっており、そのホースが傾いて部屋の方に水が来て、下の階に水漏れしてしまう事例が多く発生していたのです。

すぐに気づいて処理したのですが、時すでに遅し。

下の階の人に謝りにいきました。すると、

「布団がだめになった。寝られないので買いに行った。15000円だった。弁償してくれ」

と言うのです。

布団は捨てたので、ない、とのこと。

たいして時間はたってないのに、布団を買いに行って、古い布団を捨てた…？

怪しいなと思ったけど、そんなことは言えません。

こういう時、どうしたらいいかわからず途方に暮れ、まず公営住宅の管理部門に相談。

しかし、入居者のトラブルには関知しないとのこと。

今度は法律相談に行ってみました。

すると、「布団のクリーニング代を支払うだけでよい。新品の布団代を支払う義務はない」

との回答を得ました。

元夫と一緒にそのことを伝えに下の階の人を訪ねました。

謝罪し、弁護士に相談したこと、クリーニング代を支払いすることを伝えると

「弁護士、弁護士って。何か知らんけど。好きにすれば？うちは迷惑かけられてるのに。」

完全に小バカにしたような対応。

これは正攻法ではダメだとわかりました。

「仕返しされるかも」と思いました。

上と下に住んでいて、何かされたら、子供もいるのに…怖かった。

悔しかったけど弁償した

ほんとに布団を買ったかどうかもわからず、布団の領収書もなく、吹っ掛けられたとしか思えない請求。

悔しくてたまらなかったのですが、その後私は15000円を払いました。

早くけりをつけたかったのです。

それからはもう、一日も早く引っ越したくて、早計ともいえるマンション購入に踏み切ったのです。

引っ越したマンションの部屋は2階で、下はホールでした。

下に住人がいない階を選んだのです。

今度こそはトラブルがないようにと思いました。

いくら立地が良くても、広くても、間取りがよくても、近所の住人は選べません。

どんな人が住んでいるかわからないのです。

それなのに、次のマンションでもトラブルがありました。

次回はこの話をしたいと思います。