先生と教え子

今日、高校時代の友人が、

「〇〇先生にプールで会ったよ。全然変わってなかった」

「今度、同窓会で会おうって言われた」

とLINEで知らせてきた。

先生は70代だが、若々しく、以前と変わりなかったらしい。

先日の教師の飲み会。

65歳くらいの大ベテランの男の先生が、ホテルの従業員と話していた。

聞けば、教え子らしい。

先生の教え子はこのホテルにもう1人いて、

「私は〇〇高校に15年、〇〇高校に25年いて、それからこの学校に来た」

「教え子はおそらく数万人おるだろうね」

などと話していた。

従業員さんはニコニコして黙って聞いている。

「先生はお幸せですね。こうやって教え子さんがあちこちでご活躍されてるのを見れて」

と私はごく当たり前の言葉を返して、その場を離れた。

確かに、先生という職業はたくさんの教え子がいて、こんな風に

「先生、先生」

と声を掛けてきてくれることもある。

でも、こんな意地の悪いことも考える。

本当にその生徒はその先生を慕っていたのだろうか。

ただ、その頃、自分が習った先生だったというだけではないか。

私が学生だった頃を思い出すと、好きだった、印象に残っている先生というのはほとんどいない。

むしろ、嫌いだった先生、授業が全然わからなかった先生ばかりだったという記憶。

この先生ももしかしたらすごーく慕われた先生だったかもしれないけど、

全然授業がわからない、面白くない授業をする先生だったかもしれない。

でも、数十年たって、

「先生」

と呼んでくれる生徒に会えるということは、教師冥利に尽きることなのだろう。

 

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