母のトリセツ 干渉とクドイ話

先日、久しぶりに長男が帰省した時、私の実家に長男を連れていきました。

長男が買ってきたお土産を喜び、「結婚はまだ?」と笑顔で聞いていた母。

長男が帰ってその後、実家に行った時です。

母は長男のことをこう言うのです。

「ちょっと太りすぎよ。食事のバランスがとれてないんじゃないの。あんた注意したの?」

「食事に気をつけてとは言ったけど、一緒に暮らしてないし、どうしようもないよ」と私。

長男は激太りしていて、本人曰く30キロくらい太ったとか。

同棲中の彼女も1年で10キロほど太ったというから、よほど美味しい料理を作っているんでしょう。イヤミ?

長男の前ではニコニコして何も言わなかったくせに、私に注意しろと言う母。

離れて暮らしている長男にどうしろというのでしょうか。

「だからね、結婚したらいいのよ。結婚したら奥さんが食事に気を遣ってくれるからそんなに太ることもないよ。早く結婚させなさい」と母。

結婚したからって必ずしも奥さんが料理に気を遣って、夫が太らないとは限らないでしょうと思うけど、そんなの母には通じない。

今現在、長男の食事は同棲中の彼女が作っているのに。

同棲しているとは知らない母は、長男の食生活が乱れていると信じているのです。

「結婚したからって痩せるとは限らないよ」と私。

「そうかもしれないけど、結婚したら違うよ、やっぱり。奥さんが食事作れば。惣菜とか冷凍食品ばっかり食べるからよ」

「早く結婚させなさい。あんたが本気にならんでどうするの。縁結びの神様にお参りに行きなさい」

結局、私への説教になるのでした。

心配してくれるのはありがたいけど、こういう時の母の思い込みはひどくて、イヤになります。

私自身が子供の頃も親の干渉がイヤで、早く結婚して家を出たいと思っていました。

学生時代はせっかく部活に入ったのに、早く帰ってこいとしか言わず、毎日練習途中で帰り、結局辞めざるをえなくなりました。

働き始めてからも途中の寄り道は許されず、もしも遅くなる時は必ず連絡、門限は10時でした。

遅れると締め出され、いい年をして玄関前で立たされ。

一度12時を過ぎて帰った時、父に問答無用で頬を叩かれました。

一人暮らしの許可が出るわけもないので、結婚すれば家を出られる、家を出たいとずっと思っていました。

だから早く結婚を決めたということもありました。

離婚しても実家に帰らなかったのは、このような母の干渉が今後もあると思ったからです。

実家に帰れば金銭的にも楽だし、家事もしてもらえるけど、出かけようとすれば「どこに行くの」「何時に帰るの」と聞かれ、何かにつけて干渉され、休みの日もゆっくりできそうにないとわかっていたからです。

そして、母は「心配するのは当たり前」「これが親の務め」と固く信じている人ですから、何を言っても通じません。

こういう話を母といくら続けてもエンドレス、ゴールは見えません。

そして母の話は年をとるごとにしつこくなっていき、同じ話を何度も何度もします。

私は高齢者介護の仕事をしているので、お年寄りの話を聞くことがもっとできてもいいはずなんですが、苦手なんですよね。

辛抱強く聞こうと気をつけてはいるのですが、ついつい「もう聞いた」「何回も聞いた」と言ってしまいます。

はっきり言ってイライラします。

でも「あんたはすぐそういう。いいの、何回も言うのよ」と母は開き直ります。

しかし、母が元気でこんなに話ができるということは幸せなことですよね。

母は84歳になりますが、認知症もなく、一人暮らしで本当に元気です。

母が私や息子のことで干渉するようなことを言っても、「そうだね、ありがとう」「うん、わかった」となるべく言うようにしようと思います。

年老いた母との会話に必要なのは、情報の交換ではなく、「情」の交換なのですね。

母の言葉に「ありがとう」と感謝の気持ちを言い、「わかった」と理解の言葉を言うことが大切なのです。

そう考えると、母の何度も繰り返される話も苦痛ではなくなります。

母と会話できる日々をもっと大切にしようと思います。

 

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